【医療知識】脱水症の知識(熱中症の原因にもなります) 3/3 高齢者の脱水


>>>>>前の記事
脱水の原因は最初でも記載した通り  、

 水 、 Na のどちらか(もしくは両方)が欠乏している状態であるという事を書きました。

このバランスの異常はなぜ起こるのでしょうか。 ちょっと考えてみて下さい。

・・・ ・・・ ・・・ ・・・

これも二つしか書かないのですが、

(1)水分摂取不足(入る水の量の不足) (2)水分排泄の増加(出る水が過剰)

あっ、石を投げないでください。 でも、考えてみれば入る水が少ないか出る水が多すぎるかですよね。 もう少し詳しく書いていきます。

(1)水分摂取不足(入る水の量の不足)

入る水が不足する一番の原因は食欲不振による食事量や飲み物量の不足である。
口から水分を全くとらなくても体内の老廃物を排出する為に最小限500ミリリットルの尿量が必要なのです。

このような場合はブトウ糖を輸液すると、これがエネルギー源となりタンパク質の分解を抑え尿中の老廃物が少なくなり尿量は更に少なくて済む。ただ、最小の尿量は腎の濃縮力によっても変わります。

(2)水分排泄の増加(出る水が過剰)

これの原因は、発汗、発熱、嘔吐、下痢、大出血、腎臓疾患、他により水分排出が増加します。
しかし、入る水と出る水が同じでも、水分の代謝がうまくいってなるとはいえない場合があります。 例えば、浮腫みがあると治療によって入る量より出る量を多くしなくてはなりませんし、脱水症の改善は入る水が出る水より多くなくてはなりません。

高齢者の脱水

高齢者は脱水が起こりやすい理由をここでは解説していきます。 1/3の記事で後述した部分の説明にもなります。

 (1)体液量の減少 : 加齢による細胞数の減少により体液量が減少。
 (2)腎機能の低下 : 加齢による糸球体ろ過量、尿の濃縮力の低下等により水分の相対的排出方となる。
 (3)渇中枢の反応低下: 口渇を感じにくくなるので適切に水分補給が出来ない
 (4)体内の水分貯蓄量の減少: 細胞内水分の最大貯蔵場所は筋肉である。つまり、加齢による筋肉量の減少により水分貯蔵量も減少。 (脂肪組織は水分を貯蔵しにくい)
 (5)基礎代謝量が減少し、代謝水が減る(体内で作り出す水分)。
 (6)水分摂取量の減少 : ADL(日常生活に必要な動作)が低下し、摂食、嚥下障害、疾病等により食事量の低下や水分が摂りにくくなる。
 (7)頻尿や失禁、誤嚥を恐れて水分摂取を控える傾向
 (8)熱、多汗、下痢、嘔吐など水分喪失の機会が多い
 (9)利尿剤の使用

などがあります。

人は何もせず寝ているだけでも、肺と皮膚呼吸で体重1キロあたり約20ミリリットルの水は1日に失います(成人)。これを不感蒸泄といい、皮膚や呼吸など見えない水蒸気として蒸発している。

更に、絶食状態で口から全く食べ物や飲み物が入らなくても、体は代謝に必要なエネルギーを作らなければならない。 その結果生じた代謝産物(老廃物)を排泄するのに500ミリリットルの尿量が必要である。これを、不可避尿という。

上の二つを、体内で作られる水 (代謝水)200~300ミリリットルを差し引くと、体重によって異なるが最低でも1日1,000ミリリットルの水が必要となる。これは生命を維持するために最低限度の水で絶対的に確保せねばならない。

命にかかわる脱水。これは前もって予測しなければならない。

上に書いた通り計算式から求めると、 [20ミリリットル×体重(kg)](不感蒸泄) + 500ミリリットル(不可避尿) – 200ミリリットル(代謝水) の答えを、その人の食事3食からの摂取量と食事以外でとった水分が上回らなくてはならない。

絶食でも生命維持に必要な水分量が変わらないことは念頭に置いておいてほしい。

高齢者の場合、脱水の初期には何の訴えも苦痛もないことが多い。もし、発熱や発汗、下痢、嘔吐などが加わればたちまち本格的な脱水となる危険性がある。 脱水の初期には腎の予備力もあるので、最小限の補液によって改善されりきそれがきっかけで元気になることも少なくない。

脱水を疑う基準は以下の通りとなる。

 (1)最近90日で認知機能、動作、堂々能力の低下がある。
 (2)食事摂取や服薬が出来ない
 (3)最近30日で尿路感染症があった
 (4)最近脱水症と診断されたことがある。
 (5)下痢がある
 (6)めまいがある
 (7)発熱がある
 (8)体内で出血がある
 (9)嘔吐がある
 (10)体重減少(最近30日で5%、180日で10%)
 (11)水分摂取が不十分である
 (12)経静脈的補液を希望する。

そして、以下のような場合では脱水の危険が高くなる

 (1)手を動かすのが不自由である
 (2)利尿薬を服用中
 (3)下痢を大量にしている
 (4)糖尿病のコントロールが不良である
 (5)嚥下機能運動に障害がある
 (6)意図的に水分を控えている
 (7)経管栄養を施行中である
 (8)既往症の脱水症がある
 (9)意思疎通がとりにくい

などがあります。

こういった事を参考にし、脱水予防、熱中症予防に努めてください。 希望等がございましたら更に一歩踏み込んで深く書いていきたいと思います。

≪熱中症対策を見る≫

人気ブログランキングへ
参考になったでしょうか。もしよろしければ下にコメント欄がありますのでコメントをいただければ修正や加筆の参考になります。お忙しい中申し訳ありませんがよろしくお願いします。
最後までご覧いただきありがとうございました。みなさんの参考になるようがんばりますのでまたお越しください。
 
受験対策
≪ケアマネージャー≫
受験対策
≪社会福祉士≫
受験対策(研修)
≪介護福祉士≫
初任者研修 
通学】 【通信
この投稿は役に立ちましたか? 役に立った 役に立たなかった 0 人中 0 人がこの 投稿 は役に立ったと言っています。

One comment

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。