【知識】高齢者に起こりやすい神経系疾患


高齢者に起こりやすい神経系疾患がテーマです。

記載の前に特定疾病と特定疾患治療研究所事業の対象疾患について記載します。

★特定疾病
特定疾病とは、心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病であって次のいずれの要件をも満たすものについて総合的に勘案し、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因し要介護状態の原因である心身の障害を生じさせると認められる疾病である。

★特定疾患治療研究所事業
原因が不明で治療法が確立していない、いわゆる難病と呼ばれる疾患のうち、特定の疾患について治療研究事業を推進することにより、医療の確立、普及を図るとともに、患者の医療費の一部を公費で負担し、その負担の軽減を図ることを目的とした事業です。

詳しくは過去記事で【介護支援】ケアマネ試験から知識吸収(特定疾病)

◇… 特定疾病
◆… 特定疾患治療研究所事業

①脳血管障害(◇脳血管疾患)
②パーキンソン病(◇進行性格上性麻痺、大脳皮質基底核変性症)(◆)
③てんかん
④高次脳機能障害
⑤本態性震戦
⑥筋萎縮性側索硬化症(ALS)(◇)(◆)
⑦シャイ・ドレーガー症候群(◇多系統委縮症)(◆)
⑧ピック病(◇初老期における認知症)

どうでしょうか。この中でいくつ問題として出てきて解答に自信が持てますでしょうか。

①脳血管障害(◇脳血管疾患)
 脳の血管に障害がおこる総称です。
 ・虚血性と出血性に分かれる。
   虚血性→ 脳血栓(動脈硬化によるアテローム血栓)、脳塞栓(心臓等でできた血栓が血流に乗り脳で詰まる) 
   出血性→ 脳内出血(動脈硬化などによる脳内の動脈が破裂)、くも膜下出血(動脈瘤等の破れによりくも膜下腔に血液が広がる)

②パーキンソン病
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片側の症状から始まり、他の部分へ進行する特徴があります。その他に、便秘や立ちくらみ(起立性低血圧)などの自律神経症状、睡眠障害、気持ちがふさぎこむ(抑うつ)などの精神症状が認められます。具体的には、じっとしている時に片側の手や足がふるえる(安静時振戦)、表情が乏しく抑揚の無い声になる、関節が硬く引っ掛かりを持つ(歯車様固縮)、立ち姿が少し前屈みで歩き方が小刻みである、歩く際に手を振らない、歩き始めや途中ですくむと次の一歩がなかなか出ない、すくんでも音や線をまたぐなどをきっかけに良くなる、身体がどちらかに傾く、字が小さくなる、等が運動症状として代表的です。精神症状には、気持ちの落ち込み、意欲、自発性の低下、夜間の不眠、認知の問題が知られています。自律神経症状には、よだれが多くなる、顔が脂ぎってくる、トイレが近くなる、汗が多くなる、インポテンツ、手足のむくみ、などの訴えが挙げられます。また、身体の痛みが起こる事もあります。
パーキンソン病 こんな症状も…

パーキンソン病の発症は、手のふるえや歩きにくさなど、主に運動に関係した症状で見つかることが知られています。
最近、これら運動に異常が現れるかなり前から、便秘を訴えていた人が多かったことがわかってきました。もちろん便秘がちなひとすべてが、パーキンソン病になるわけではないのですが、50歳代から70歳ぐらいまでの男性で、その後パーキンソン病になる人は3~4倍といった報告もあります。
さらに「匂い」の低下も注目されています。ふつう「匂いがわかりにくくなる」と訴える人は少ないのですが、「食事がおいしくない」や「味がにぶった」と訴えるお年寄がいます。お年寄りは匂いの問題を、食事がおいしくないとか、味がにぶったとして感じ表現するようです。
その他、うつ症状の人や睡眠中の行動異常などが、パーキンソン病との関係で注目されています。ここで述べた、便秘、匂いを感じにくくなる、うつ症状、睡眠時の行動異常などは、パーキンソン病になった方の生活歴を、振り返って調べた時に目立った項目です。
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③てんかん
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「てんかんとは、種々の成因によってもたらされる慢性の脳疾患であって、大脳ニューロンの過剰な発射に由来する反復性の発作(てんかん発作)を特徴とし、それにさまざまな臨床症状及び検査所見がともなう。」
(WHO(世界保健機関)編:てんかん辞典より)

大脳の神経細胞(ニューロン)は規則正しいリズムでお互いに調和を保ちながら電気的に活動しています。
この穏やかなリズムを持った活動が突然崩れて、激しい電気的な乱れ(ニューロンの過剰発射)が生じることによって起きるのが、てんかん発作です。
このため、てんかん発作はよく「脳の電気的嵐」に例えられます。
また、てんかん発作は繰り返しおこることが特徴です。そのため、1回だけの発作では、ふつうはてんかんという診断はつけられません。

<症候性てんかん>
脳に何らかの障害や傷があることによって起こるてんかん
例)生まれたときの仮死状態や低酸素、脳炎、髄膜炎、脳出血、脳梗塞、脳外傷

<特発性てんかん>
様々な検査をしても異常が見つからない原因不明のてんかん
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④高次脳機能障害
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「高次脳機能障害」という用語は、学術用語としては、脳損傷に起因する認知障害全般を指し、 この中にはいわゆる巣症状としての失語・失行・失認のほか記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などが含まれる。

診断基準
☆診断
 1.下記のI〜IIIをすべて満たした場合に高次脳機能障害と診断する。
 2.高次脳機能障害の診断は脳の器質的病変の原因となった外傷や疾病の急性期症状を脱した後において行う。
 3.神経心理学的検査の所見を参考にすることができる。

I.主要症状等
 1.脳の器質的病変の原因となる事故による受傷や疾病の発症の事実が確認されている。
 2.現在、日常生活または社会生活に制約があり、その主たる原因が記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害である。

II.検査所見
 MRI、CT、脳波などにより認知障害の原因と考えられる脳の器質的病変の存在が確認されているか、あるいは診断書により脳の器質的病変が存在したと確認できる。

III.除外項目
 1.脳の器質的病変に基づく認知障害のうち、身体障害として認定可能である症状を有するが上記主要症状(I-2)を欠く者は除外する。
 2.診断にあたり、受傷または発症以前から有する症状と検査所見は除外する。
 3.先天性疾患、周産期における脳損傷、発達障害、進行性疾患を原因とする者は除外する。
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⑤本態性震戦
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本態性振戦は運動障害で、通常、手に現れます。足や頭部、声に症状の出ることもあります。

本態性振戦は生命を脅かす疾患ではありませんが、生活を大きく変えてしまう病気です。本態性振戦のある人は、たとえば運転や通勤などの簡単な日常生活ができなくなったりします。そのことからくる孤立感も患者さんにとって耐え難いものがあります。

20 種類以上ある振戦の中、最も多いのが本態性振戦です。40 歳以上の20人に1人、また 65 歳以上の5人に1人が本態性振戦にかかっています。1 本態性振戦を発症する平均年齢は 40 歳ですが、本態性振戦 の発症は小児期から老齢期までのどの時点でも現れます。

症状
本態性振戦の特徴は、随意運動中、または重力に対抗して姿勢を維持しているときに起こる周期的なふるえ(振戦)です。 パーキンソン病と誤診されることがよくあります。

振戦には次の2種類あります。
•動作時振戦 – カップを口まで持ち上げるなどの随意運動時に生じるふるえです。
•姿勢振戦 – 手や腕を伸ばすなどをする際に重力に対して姿勢を随意的に保持するときに生じるふるえです。

本態性振戦にかかる人のほとんどが動作時振戦と姿勢振戦の両方を経験します。
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⑥筋萎縮性側索硬化症
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 人間の手や足、顔など、自分の思いどおりにからだを動かすときに必要な筋肉を随意筋といい、随意筋を支配する神経を運動ニューロンといいます。「ニューロン」というのは「神経細胞」のことです。
 運動ニューロンは、歩いたり、物を持ち上げたり、飲み込んだりするなど、いろいろな動作をするときに、脳の命令を筋肉に伝える役目をしています。
 この運動ニューロンが侵されると、筋肉を動かそうとする信号が伝わらなくなり、筋肉を動かしにくくなったり、筋肉がやせ細ってきます。ALSはこの運動ニューロンが侵される病気です。

 ALSでは運動ニューロンは侵されますが、知覚神経や自律神経は侵されないので、五感(視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚)、記憶、知性を司る神経には原則として障害はみられません。あなたがだれかに皮膚をつねられたとき、痛いと感じ、つねられた手をひっこめるでしょう。痛いと感じるのは「知覚神経」、手をひっこめるのは「運動ニューロン」の働きです。ALSになると痛いという感覚はありますが、手をひっこめることができなくなります。
 ALSで侵されるのは、随意運動を行う筋肉(随意筋)を支配する運動ニューロンです。随意運動とは、手を上げるなど自分の思いどおりにからだを動かす働きのことです。心臓や消化器も筋肉でできていますが、随意筋ではありません。心臓が動き、胃や腸で食べ物が消化されるのは無意識に自動的に働いており、これを支配しているのが「自律神経」です。ALSでは自律神経は侵されないので、心臓や消化器の働きには影響がありません。
 しかし呼吸は、自律神経と随意筋である呼吸筋の両方が関係するので、ALSで運動ニューロンが侵されると、呼吸筋が次第に弱くなって呼吸が困難になります。
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 有名な映画では、モリー先生との火曜日があります。
非常に泣ける映画でベスト映画でも名を連ねています。

⑦シャイ・ドレーガー症候群
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シャイ・ドレーガー症候群(Shy-Drager syndrome:SDS)は、自律神経症状を主要症状とする脊髄小脳変性症の中の一病型です。

オリーブ・橋・小脳萎縮症(OPCA)とよばれる病型や線条体黒質変性症(SND)とよばれるものとは同一の疾患と考えられています。というのは、SDS、OPCA、SNDの3病型の病理所見は、進行例では重なりあうところが多く、また、グリア細胞内に共通の封入体を有するからです。

OPCAは小脳性運動失調を主要な症状とするものであり、SNDはパーキンソン症状を中心とした錐体外路症状を前面に現わし、SDSは、自律神経症状を特徴とする病型です。これらのSDS,OPCA,SNDをひっくるめて多系統変性症(MSA)と呼ぶことがあります。

自律神経症状が主要な症状であり、それに加えて小脳性運動失調、錐体外路症状としてのパーキンソン症状などを現わします。自律神経症状としては、起立性低血圧、発汗異常、排尿障害、インポテンス、便秘などをきたします。初発症状としては、陰萎、排尿障害、起立性低血圧などです。
起立性低血圧の程度は初期には軽く、進行すると強くなります。患者さんは初期には、耳鳴り、頭痛、肩凝り、倦怠感、立ちくらみを訴えますが、進行するにつれ、眼前暗黒感や失神をきたすようになります。頻回の失神発作のため臥床を余儀なくされます。血圧の異常としては、起立性低血圧、臥位性高血圧、睡眠時高血圧、食後性低血圧などがみられます。
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⑧ピック病
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 認知症も発症する人生の時期によって初老期認知症(初老期とは歴年齢上の定義は40~60歳代、40歳で「老」とつけられるのもドキッとします)・老年期認知症とおおまかに分かれます。65歳が便宜的境目です。
 前者の代表疾患がピック病であり、原因不明の大脳萎縮性疾患です。初老期認知症ということでは、かつては若年性アルツハイマー病とよく比較されました。
 また、別の分類になりますが前頭・側頭型認知症(FTD: frontotemporal dementia)の代表がピック病であり、頭頂葉と側頭葉後部に病変を呈するアルツハイマー病が後方型認知症と呼ばれているのに対して前方型認知症とも呼ばれます。もともとは1892年にプラハ大学のPick(ピック)先生が老年期認知症の一型として報告、その後アルツハイマー病とは別タイプの、実際は初老期発症が多い認知症疾患として独立命名されました。

人格障害(強さはピック病>アルツハイマー病>脳血管性認知症)・情緒障害などが初発症状です。
 病期前半にはアルツハイマー病でよくみられる記憶障害・見当識障害はまずみられません。進行に伴い自制力低下(粗暴、短絡、相手の話は聞かずに一方的にしゃべる)、感情鈍麻、異常行動(浪費、過食・異食、収集、窃盗、徘徊、他人の家に勝手にあがる)などがはっきりし、人格変化(無欲・無関心)、感情の荒廃が高度になります。
 人を無視・馬鹿にした態度、診察に対して非協力・不真面目、ひねくれた態度など対人的態度の特異さも目立ちます。その他、意味もなく同じ内容の言葉を繰り返したり同じ行動を繰り返したりする滞続症状もみられます。 病識はありません。
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以上となります。どうでしょうか。

実際病気について知識を得るのは覚えるだけでよいのでしょうが。 それぞれにかかり闘っている人が実際にいるのです。

健康なのは本当にありがたいことだと改めて思います。

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